ミニマリズムとは
1960年代、おもにアメリカで展開したアートムーブメント。
シンプルな形と色を使い、装飾や説明要素をできるだけ削ぎ落とした表現が特徴。
作者の痕跡もなく、反復性、対称性、連続性といったものがただただ強調される。
<ミニマル・アート>
ドナルド・ジャッドの作品のように、作品が設置された「場」と積極的に関わろうとする傾向があった。
同時代にあったポップアートとの関連では、表現の意図や方法について、正対称であると分析される。
背景には、『知覚の現象学』メルロ=ポンティの影響がある。
なかでも本書の最大の特徴は、われわれの「身体」および「知覚」に焦点を合わせることで、主観/客観、意識/物体といった伝統的な二項対立を疑い、身体的経験の両義的構造を主張した点にある。このようなメルロ=ポンティの思想が、従来の単純な「鑑賞」(見る主体/見られる対象)のモデルに準じるのではなく、むしろ鑑賞者の「身体」の位相を重視しつつあった戦後美術に影響を及ぼすことになったのはごく当然の成り行きだった。『知覚の現象学』が英訳されたのは1962年のことだが、同書はアメリカ西海岸を中心とするミニマル・アートの理論の形成に少なからぬ影響を与えたとされている。出典:artscape
ドナルド・ジャッド
1928-1994
アメリカ合衆国の画家、彫刻家、美術家、美術評論家
スイス・ミニマリズム
80年代ポストモダニズムが全盛期だった頃、アメリカで批判にあったドナルド・ジャッドは、コレクターの多かったスイスに半ば亡命していた。
それもあってか、90年代になると、ETH(スイス連邦工科大学チューリヒ校)出身の若い建築家の多くがミニマリズムに傾倒していった。
ヘルツォーク&ド・ムーロンやギゴン&ゴヤー、そしてピーター・ズントーなど。
ドミニク・ペロー
1953-
フランスの建築家・都市計画家
フランス国立図書館
1995(1989コンペ当選)フランス パリ
設計:ドミニク・ペロー
via Around The World
ピーター・ズントー
1943-(73歳)
スイスの建築家
Photo by © Dominik Gigler
グガルン・ハウス
1994 スイス ヴェルサム
設計:ピーター・ズントー
via archdaily
テルメ・ヴァルス
1996 スイス、ヴァルス
設計:ピーター・ズントー
via wikipedia
聖コロンバ教会ケルン大司教区美術館
2007 ドイツ ケルン
設計:ピーター・ズントー
via wikipedia
ヘルツォーク&ド・ムーロン
(ジャック・ヘルツォーク1950-、ピエール・ド・ムーロン1950-)
スイス バーゼル出身の建築家
via dezeen
SBB駅の信号所 スウィッチ・タワー
1999 スイス バーゼル
設計:ヘルツォーク&ド・ムーロン
via worldarchitecturemap
ドミナス・ワイナリー
1997 カリフォルニア州 ヨンツヴィル
設計:ヘルツォーク&ド・ムーロン
via dominusestate
Eberswalde technical school library
1999 ドイツ エーベルスヴァルデ
設計:ヘルツォーク&ド・ムーロン
via DIVISARE
トーマス・ルフの写真がコンクリートスラブに印刷されている。
プラダ青山
2003 東京
設計:ヘルツォーク&ド・ムーロン
via wikipedia
ラバン・ダンス・センター
2003 ロンドン
設計:ヘルツォーク&ド・ムーロン
via e-architect
IKMZ Library of the Brandeburg University
2004 ドイツ コットバス
設計:ヘルツォーク&ド・ムーロン
via AD
北京国家体育場「鳥の巣」
2008 中国 北京
設計:ヘルツォーク&ド・ムーロン
via telegraph
エルプフィルハーモニー・ハンブルク
2016 ドイツ ハンブルク ミッテ区 ハーフェンシティ地区
設計:ヘルツォーク&ド・ムーロン
via AD
ギゴン&ゴヤー
(アネット・ギゴン1959-、マイク・ゴヤー1958-)
スイスの建築家
via ethlife
ライナー・ミュージアム
1998 スイス アッペンツェル
設計:ギゴン&ゴヤー
via MIMOA
シグナル・ボックス
1999 スイス チューリッヒ
設計:ギゴン&ゴヤー
via subtilitas
Fondazione Marguerite Arp
2014 スイス ロカルノ
設計:ギゴン&ゴヤー
via afasiaarchzine
スイス交通博物館
1959 スイス ルツェルン
via swissspacemuseum
EUROPAALLEE 21. LAGERSTRASSE HOUSE
2013 スイス チューリッヒ
設計:ギゴン&ゴヤー
via DIVISARE
アルベルト・カンポ・バエザ
1946-
スペインの建築家
via wikipedia
The House of the Infinite
2014 スペイン カディス
設計:アルベルト・カンポ・バエザ
via AD
ジョン・ポーソン
1949-
イギリスの建築家
via PORT
Bright White Holiday Home
2016 沖縄
設計:ジョン・ポーソン
via johnpawson
Farine Bakery & Cafe
2017 イタリア ミラノ
設計:ジョン・ポーソン
via johnpawson
ヴィール・アレッツ
1955-
オランダの建築家
via dezeen
ユトレヒト大学図書館
1997-2004 オランダ ユトレヒト
設計:ヴィール・アレッツ
via WAA
黒塗りのコンクリートで形づくられた書庫は、自然光を内側に取り込むために部分的に二重ガラスのファサードになっており、ガラス面にはシルクスクリーンでパターンがプリントされている。
沈黙のコミュニケーションがコンセプトになっており、容易に会話をさせない、落ち着いた空間とするために、黒を主にしたインテリアデザインが行われた。
目の前のことに集中するか、人と向き合うか、自分と向き合うか、他者とコミュニケーションするかなど、一つに縛られない多様なアクションに対応できるよう、一つ以上のインフラ機能を持つことがこの図書館の前提とされた。
ルート構成もその前提に沿って計画され、バーラウンジエリア、レセプションコーナー、オーディトリアム、司書デスク、これらは全て真っ赤なラバーで覆われ、ショップなど他の機能空間は、ルートに対して特別の寸法を与えられ、それによって図書館プラグラムが持つ単一の機能性が壊されるように意図された。
デヴィッド・アジャイ
1966-
タンザニア出身、ガーナ/イギリスの建築家
via wikipedia
ノーベル平和センター
2005 ノルウェー オスロ
設計:デヴィッド・アジャイ
via Adjaye Associates
関連書籍
『minimum』,ジョン・ポーソン (編集), 安藤 宗一郎 (翻訳), 西森 陸雄,デザインエクスチェンジ,2001
『ミニマリズム』,ジェイムズ マイヤー (編集),ファイドン,2011
『世界の夢の名建築 [スイス編] New Swiss Architecture』,マヤ・ブルク・フォン・グラエベニッツ (著), ナタリー・ヘルシュドルファー (著),エクスナレッジ,2016
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