ハイテク建築とは
テクノロジーがそのままデザインとして表面に現れている建築のこと。
構造表現主義ともいわれる。
1960年代から70年代にかけて、今までは技術的に建てることのできなかった建築が、最新の構造技術を用いることで建築可能になり、次々と世の中に登場し始めた。
構造を前面に出すスタイルのルーツは、ブルータリズムにあり、その中心人物だったスミッソン夫妻の影響を受けた、ジェームズ・スターリング、リチャード・ロジャース、ノーマン・フォスター、ニコラス・グリムショウらによってこのムーブメントは牽引された。
ネーミングは、デザイン・ジャーナリストのジョアン・クロンとスザンヌ・シュレシンの共著『High Tech: The Industrial Style and Source Book for the Home』(1978)に由来する。
80年代からはポストモダン建築との区別が難しくなり、ハイテク建築から生まれた多くのテーマやアイディアは、徐々にポストモダン建築に吸収されていった。
<ハイテク建築の三大巨匠>
リチャード・ロジャース、ノーマン・フォスター、レンゾ・ピアノが有名。
おもな建築物
エーロ・サーリネン
1910-1961(満51歳没)
アメリカで活躍した建築家、フィンランド人
TWAターミナル(JFK空港内)
1961 NY
設計:エーロ・サーリネン
via wikipedia
ミュンヘン・オリンピアシュタディオン
1972 ドイツ ミュンヘン
設計:ギュンター・ベーニッシュ、フライ・オットー
via wikipedia
BMW ヘッドクウォーターズ
1968-72 ドイツ ミュンヘン
設計:カール・シュヴァンツァー
via newsnish
シドニー・オペラハウス
1973 オーストラリア シドニー
設計:ヨーン・ウォッツン他
構造:ピーター・ライス
via wikipedia
リチャード・ロジャース
1933-
イギリスの建築家
© 2013 Rogers Stirk Harbour + Partners LLP
ポンピドゥ・センター
1977 フランス パリ
設計:リチャード・ロジャース、レンゾ・ピアノ
via wikipedia
ロイズ・オブ・ロンドン
1978-1986 ロンドン
設計:リチャード・ロジャース
via AD
The O2(ミレニアム・ドーム)
1999 ロンドン グリニッジ
設計:リチャード・ロジャース
via wikipedia
ノーマン・フォスター
1935-
マンチェスター生まれの建築家
via wikipedia
フォスターは構造を前面に押し出したスタイルを好み、テクノロジーを賛美している。
「現代社会は技術が主導する社会であり、建築家は技術を高めれば、美しさは後からついてくる」と述べている。
HSBCビルディング
1985 中国 香港
設計:ノーマン・フォスター
via DIVISARE
ドイツ連邦議会新議事堂・ライヒスターク
改装 1999 ドイツ ベルリン ミッテ
設計:ノーマン・フォスター
British Museum - Great Court
opened 2000 ロンドン
設計:ノーマン・フォスター
via DIVISARE
ニコラス・グリムショウ
1939-
イギリスの建築家
via therealdeal
オックスフォード・アイスリンク
1984 イギリス オックスフォード
設計:ニコラス・グリムショウ
via geograph
フィナンシャル・タイムズ印刷工場
1988 イギリス ロンドン
設計:ニコラス・グリムショウ
via grimshaw
ハイテクノロジーが工業建築で成功した初期の実例で、技術要素が芸術と融合すること示した。
サンティアゴ・カラトラバ
1951-
スペイン出身の構造家、建築家
via bestinteriordesigners
リスボンのオリエンテ駅
1998 ポルトガル リスボン
設計:サンティアゴ・カラトラバ
via inhabitat
バレンシア芸術科学都市
1991-2004 スペイン バレンシア
設計:サンティアゴ・カラトラバ
via wikipedia
関連書籍
『Hi-Tec Architecture』,Daab Books (Corporate Author),Daab Pub; Mul版,2009
『フォスター卿の建築術 [DVD]』,ノーマン・フォスター (出演), リチャード・ロジャース (出演), & 1 その他,KADOKAWA / 角川書店,2014
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